株式会社フクダ

超微小漏れを測る

角速度センサや赤外線イメージセンサなどのMEMS部品や小型電子部品は、長い年月にわたって製品内部の密封性を保持する必要があり、高い気密性が求められています。
フクダでは、超微小漏れの測定技術として、高感度のヘリウムリーク検出技術「カプセル蓄積法」を開発しました。MUH-0100シリーズは、「カプセル蓄積法」を採用した超微小漏れ測定専用の気密検査装置です。

ウルトラファインリークテストシステム

ウルトラファインリークテストシステム
MUH-0100 series
特許番号 PAT.NO.5970618

本システムは、ファインリークテスト(真空チャンバ法)、ウルトラファインリークテスト(カプセル蓄積法)により、気密検査を行う装置です。

基本仕様
漏れ判定レベル 4×10-15 Pa・m3/s (He) まで 計測可能
対象ワークサイズ Φ44×L31 mm(角30×30)
対象ワーク MEMS部品(圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、赤外線イメージセンサ)、電子部品、ハーメチックパッケージ、水晶デバイス など
電源電圧 AC 100 V
寸法(mm) W760×D770×H1200
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測定範囲

従来の方式におけるヘリウムリーク量は、バックグラウンドの影響を考慮すると、実質10-10Pa・m3/s(He)台まででしたが、この技術では10-15 Pa・m3/s (He)台までの漏れ量の測定が可能です。
※測定できる漏れ量は、ワークの種類と条件によって異なります。

図1:ヘリウムリーク量の測定範囲

図1:ヘリウムリーク量の測定範囲

「カプセル蓄積法」とは

カプセル蓄積法は、ワーク(試験品)からの微小なヘリウムリークを検出するために、大容積の「チャンバ」の中に小容積の「カプセル」を設け、ヘリウムリーク測定を行う方法です。 次の①~③の流れで、微小漏れの測定を行います。
【測定の流れ】
①ワーク(試験品)を入れた「カプセル」と「チャンバ」を真空にしてから「カプセル」を閉じ、
 質量分析計で検出可能なレベルになるまでヘリウムを蓄積します。
②「カプセル」を開き、「カプセル」内のガスを「チャンバ」内に開放します。
③拡散されたヘリウムは、分子流の状態になって「絞り」を通り、質量分析計で計測されます。
図2:原理図

図2:原理図

「カプセル蓄積法」の特徴

バックグラウンドを大幅に低減
超微小のヘリウムリークの検出が可能
ヘリウムリーク判定能力※4×10-15Pa・m3/s(He)~
※蓄積時間2時間の場合。
ボンビング条件、カプセルサイズ、放置時間等の試験条件に依存します。
誤差要因となるヘリウム以外のガスの影響を低減
ヒーターや極低温ポンプが不要になり、起動時間やメンテナンスが
通常のヘリウムリークディテクタと同等です。
ヘリウム蓄積量の校正には、市販の標準リークが使用可能です。
図3:カプセル蓄積法のヘリウム感度

図3:カプセル蓄積法のヘリウム感度

図3は、検出したいヘリウム感度(縦軸)に対応する蓄積時間(横軸)を表しています。

ウルトラファインリークを計測するための留意点

パッケージの材質について
パッケージや接合面の材料にガラス質が含まれる場合、ヘリウムガスの透過・付着が発生します。あらかじめ使用する材料にはご注意ください。許容できるヘリウムガスの透過・付着量は、測定リーク量のおよそ1/10以下が必要です。
グロスリーク(大漏れ)について
グロスリーク(大漏れ)がある場合、ワーク内部のヘリウムガスが短時間で抜け、ファインリーク測定値が不正確となるため、グロスリーク 1×10-6Pa・m3/s (等価標準リーク率)を正確に計測する必要があります。大漏れ測定には、推奨のグロスリークテストシステムをご利用ください。試験体の内容積は、0.1mm3以上を確保してください。
測定方法・手順について
・個々のワークに対する計測方法や手順は、アプリケーションノート(手順事例等)をご参照ください。
・ご要望により、出張オペレーティング対応をいたしますのでご相談ください。

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